五輪原(ごりんぱら)から 5月26日 第70号
「スーパームーンと皆既月食」
今日5月26日は、2021年で最も大きな月を観察できる日、スーパームー
ンの日です。月は、その軌道が楕円であることから実際に見える月の大きさが周
期的に変化して見えます。
月が地球に最も近づくときが最も大きく見え、その月が満月であるときにス
ーパームーンと呼ばれています。一方、満月で最も遠い月(小さく見える月)は、
12月19日に観ることができます。
朝から、天体望遠鏡で観察できるようにドームを開け、パソコンを立ち上げ、
月を自動追尾するプログラムを実行し、スーパームーンが出るのを待ちました。
18時44分に皆既月食が始まるということで自動追尾型の天体望遠鏡のほ
か、手動式の望遠鏡も玄関前に2台設置し、いまかいまかと今世紀最大の天体シ
ョーを所員とともに楽しみにしていました。
ところが、方角が東南ということで、自動追尾型の天体望遠鏡は、高い松の木
やラウンジ塔が死角になり、なかなか焦点が合いません。
そうしているうちに、地平線が赤く染まり始めました。いよいよスーパームー
ンのお出ましかと期待が高まります。しかしよく見ると、厚そうな雲にさえぎら
れているようです。
午後8時30分、月の明かりがぼんやりと赤く染まり、その存在は予測できる
のですが、雲に遮られ、スーパームーンの輪郭の一部さえも見えません。
潔く撤収です。このまま待っていても皆既月食どころか、月そのものさえ観察
することができません。天体観測の難しさを痛感させられた1日でした。
今日のように、天気予報上は晴れで観測可能と出ていても、突然観察不能にな
ることも踏まえ、教育事業として集客する場合は、別プログラムを用意しておく
ことが必須だということです。いろいろと勉強させられた1日でした。
(文責 所長 福 士 寛 樹)